ここでは法人税申告編の全体的な作業の流れを説明します。
全体的な作業の流れ
おおまかに表すと作業の流れは以下の6ステップになります。
作業ステップ | 内容 | 実施タイミング |
---|---|---|
①記帳 | 発生した取引の仕訳を登録 | 年度中の随時 |
②減価償却費の算出と記帳 | 減価償却費の算出と仕訳登録 | 確定申告時 |
③帳簿の整合性確認とデータエクスポート | 記帳に漏れ等が無いかの確認と会計データのエクスポート | 確定申告時 |
④法人税申告書作成 | 決算書と法人税申告書作成 | 確定申告時 |
⑤電子申告・電子納税 | 申告書の送信と納税 | 確定申告時 |
⑥事後作業 | 帳簿保存や年次繰越等の事後作業 | 確定申告の後 |
以下、それぞれのステップの概要について説明します。
各ステップの概要
①記帳
実施タイミング: 年度中の随時
家賃、礼金、更新料などの収益の受け取りや、賃貸管理費、建物管理費、修繕費、広告費、契約事務手数料などの費用の支払い、または借入金の返済といったような日々発生した取引について仕訳を登録します。溜めておいてまとめて登録することも出来なくはないかもしれませんが、年度の中でこまめにやっておくと後が楽です。
また、円簿会計への入力をより省力化するためのExcelワークシートについても別途紹介しています。詳しくは 法人税申告編|[Excelワークシート版] 全体的な流れ をご参照ください。
②減価償却費の算出と記帳
実施タイミング: 確定申告時(年度明け)
所有している資産の減価償却費の計算は自身で行っても良いのですが、全力法人税の固定資産台帳が計算してくれるのでその機能を使って算出します。
そのため、一旦全力法人税に入ってまた円簿会計に戻ってと、ここだけ少しイレギュラーな流れとなります。
全力法人税の固定資産台帳で算出したその年度分の減価償却費について、円簿会計に逆輸入して仕訳として登録します。
③帳簿の整合性確認とデータエクスポート
実施タイミング: 確定申告時(年度明け)
ここまでで対象の年度分の全ての記帳が完了しているはずですので、登録した仕訳に漏れが無いか確認します。通帳残高との突合、賃貸管理会社からの資料との突合、銀行からの資料との突合などを行います。
確認完了後、会計データのエクスポートを行います。
④法人税申告書作成
実施タイミング: 確定申告時(年度明け)
円簿会計からエクスポートした会計データをインポートし、決算書および申告書作成に必要な情報を入力して決算書と申告書を作成します。完成した申告書は申告書データとしてエクスポートします。
⑤電子申告・電子納税
実施タイミング: 確定申告時(年度明け)
国税(法人税)の申告と納付をe-Taxで、地方税(法人住民税、法人事業税)の申告と納付をeLTAXで行います。インターネットバンキング、クレジットカード、ダイレクト納付など幾つかの納付方法から選べます。
⑥事後作業
実施タイミング: 確定申告の後
帳簿の保存、円簿会計のデータの保存、円簿会計の年次繰越などを行います。
全力法人税の年次繰越を行います。
注記: 記帳について
法人税の確定申告は青色申告で帳簿付けは複式簿記を前提としていますので、仕訳の知識がゼロという方はできれば簿記3級の基礎レベルの知識を付けられることをおすすめ致します。
仕訳の知識なしでも簡単にできる!を謳った書籍や会計ソフトも多いですが、個人的には基礎的な部分だけは解ったうえでやった方が結果的に早い気もします。何より解った方がスッキリしますし、場合によってはその知識が本業に役立つ場面もあるかと思います。
次は、クラウド円簿 – 円簿会計 の始め方と初期設定になります。