ここでは青色申告編のステップ④不動産所得の確定申告書作成について説明します。
ここまでのステップで、既に入力する情報がある程度帳簿として取りまとまっていますので、それを元に入力/確認していくかたちになります。
全体的に確定申告書等作成コーナーでの手順となります。実施タイミングは確定申告時(年度明け)になります。
申告書作成の再開
減価償却費の算出のところで中断したデータから申告書作成を再開します。
確定申告特集のサイトにアクセスし、確定申告書等作成コーナーに入ります。
「保存データを利用して作成」-「作成再開」と押下して、保管してあったダウンロードファイルを選択したうえで、「保存データ読込」ボタンで読み込みを行います。
読み込んだのち、税目選択の画面にて「青色申告決算書・収支内訳書」の横の「作成再開」ボタンを押下し、青色申告決算書の種類選択画面にて「不動産所得がある方」を押下することで、中断したところに戻ることができます。
損益計算書の入力 – 収入金額の入力
損益計算書の入力 画面
「収入金額の合計」内の「賃貸料」の欄にあるボタンを押下します。
不動産所得の収入の内訳の入力 画面
「不動産所得の収入を入力する」ボタンを押下して、収入の情報を登録します。ここでの入力は賃借人ごと(=賃貸借契約ごと)になりますので、その数だけ繰り返し登録する必要があります。家賃、礼金、更新料、その他の収入、敷金の年末残高といった金額情報だけでなく、不動産の所在地、賃貸契約期間、貸付面積なども入力します。
全量登録が完了したら、画面下の各合計金額が円簿青色申告の合計残高試算表画面の不動産損益計算書タブの各科目の年間合計額と一致しているか確認します。

画面下の合計金額 (確定申告書等作成コーナー) | 比較対象の科目 (円簿青色申告) |
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年額賃貸料の合計 | 「1300 [不]賃貸料」の年間合計額 |
礼金・権利金・更新料の合計 | 「1301 [不]礼金・権利金」の年間合計額 + 「1302 [不]更新料」の年間合計額 |
名義書換料・その他の合計 | 「1308 [不]その他の収入」の年間合計額 |
損益計算書の入力 – 必要経費の入力
損益計算書の入力 画面
「必要経費の合計」内の各項目に、円簿青色申告の合計残高試算表画面の不動産損益計算書タブの各科目の年間合計額から金額を入力します。
各項目と勘定科目の対応は以下の通りです。
画面の入力項目 (確定申告書等作成コーナー) | 入力元の科目 (円簿青色申告) |
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租税公課 | 「1400 [不]租税公課」の年間合計額 |
損害保険料 | 「1401 [不]損害保険料」の年間合計額 |
修繕費 | 「1402 [不]修繕費」の年間合計額 |
減価償却費 | 既に入力済み |
借入金利子 | 「1404 [不]借入金利子」の年間合計額 |
※地代家賃と給料賃金は無いものとしていますが有る場合にはその額を入力ください。
借入金利子についてはボタンを押下した先の別画面での入力になります。「金融機関への支払い」欄に借入金利子の年間合計額を入力するのですが、所得が赤字の場合には「土地等を取得するために要した負債の利子の額の入力」欄への入力も必要になります。
ここには借入金利子の年間合計額のうち土地等にかかる額を入力します。

土地と建物で融資契約が分かれていれば土地分の借入金利子は簡単にわかるのですが、土地建物で1つの融資契約となっている場合には、土地の割合分を計算して土地分の借入金利子を算出する必要があります。(不動産所得に係る損益通算の特例)
また、それ以外の経費は「任意科目(12~16)」の欄に入れることになります。科目名と金額を入力しますが、それでも足りないかと思いますので最終行には科目名に「○○ほか」と入力し、残りの金額を全て合計して入力します。

全項目に入力が終わったら、画面下の「経費合計」欄の金額が円簿青色申告の合計残高試算表画面の不動産損益計算書タブの年間の「不動産必要経費合計」と一致しているか確認します。
一通りの入力が終わったら、「ここまでの入力内容を保存する」ボタンで入力データをダウンロードし、「次へ進む」ボタンで進みます。
貸借対照表の入力
青色申告特別控除に関する質問 画面
幾つかの質問が表示されますので、自身の状況に応じて回答を選択します。
質問の中に、”引き続き貸借対照表を作成しますか?” がありますので、ここでは “はい” を選択します。これにより、先ほど入力した損益計算書の情報に加え、貸借対照表の情報も入力することができ、セットで提出することができます。
貸借対照表(資産負債調)の入力 画面
「資産の部」および「負債・資本の部」内の各項目に、円簿青色申告の合計残高試算表画面の貸借対照表タブの各科目の期首残高・期末残高から金額を入力します。
合計残高試算表画面の年度の欄にて全ての月をドラッグして選択して「表示」ボタンを押下した際の、「前月残高」欄が期首残高、「当月残高」欄が期末残高になります。
また、入力欄が足りない科目は任意科目の追加で行追加します。
主な項目と勘定科目の対応は以下の通りです。
画面の入力項目 (確定申告書等作成コーナー) | 入力元の科目 (円簿青色申告) |
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普通預金 | 「111 普通預金」の期首残高、期末残高 |
建物 | 「200 建物」の期首残高、期末残高 |
土地 | 「210 土地」の期首残高、期末残高 |
長期前払費用 | 「265 長期前払費用」の期首残高、期末残高 |
事業主貸 | 「291 事業主貸」の期末残高 |
借入金 | 「370 長期借入金」の期首残高、期末残高 |
未払金 | 「322 未払金」の期首残高、期末残高 |
保証金・敷金 | 「330 預り保証金」の期首残高、期末残高 |
事業主借 | 「390 事業主借」の期末残高 |
元入金 | 「400 元入金」の期首残高、期末残高 |
※ここに記載のもの以外で入力項目や入力元科目がある場合は適宜入力ください。
一通りの入力が終わったら、「ここまでの入力内容を保存する」ボタンで入力データをダウンロードし、「次へ進む」ボタンで進みます。
その他の入力と決算書の確認
住所・氏名等の入力 画面
住所氏名や提出する税務署等の情報を入力します。
送信方法の選択 画面
“作成コーナーから所得税の確定申告書と一緒に送信する” を選択します。
電子申告等データ内容確認(決算書等) 画面
「決算書等表示・印刷」ボタンで決算書をPDFとしてダウンロードして内容を確認します。
電子申告等データ内容確認後の作業について 画面
「入力データを保存する」ボタンで入力データをダウンロードします。
「所得税の申告書作成はこちら」を押下して、ここまでの情報を引き継いで所得税の申告書作成に移ります。
(ご参考)
当サイトでは個人事業主の青色申告編まではご自身での実施を推奨しています。
ただやはり、
- 青色申告を自分でやるのは心配
- 記帳や確定申告にかかる時間を別のことにまわしたい
- 規模がある程度大きいので大変
といった場合には、個々の事情によって税理士さんにご依頼するという選択もありかと思います。
④不動産所得の確定申告書作成のステップは以上です。次は⑤所得税の確定申告書作成~送信のステップになります。